出陣の賦

降魔調伏

中島京子「かたづの!」(集英社文庫)

この作品、今頃になって読んだのが悔やまれるレベル。せめて単行本化された2014年にハードカバーで読むべき作品であった。こんなスゴい作品書いてくださったのに、なぜ未だ物語の舞台・岩手で話題になってない?せめて、縁のある八戸・遠野で盛り上げてしかるべきなんじゃないか?この辺、文弱な八戸武士の系譜なんだろうか?

 

この物語、江戸時代唯一の女大名となった南部袮々の生涯の物語なんだけど。ここには南部家独特の複雑な事情があってー。戦国時代、北東北の覇者・南部家は青森県三戸町を本拠地とする南部宗家のもと。分家が各地に根を張って一枚岩。なわけなくて、分家連中が小うるさいうえ。ヒロインの家・八戸氏が元々宗家と別の家系で、戦国時代は南部宗家と同格だったはずが、だんだん宗家が威張り出すとばっちりを受けてしまい、ヒロインがいろいろ苦労するんですよねー。

 

そんな物語の狂言しを、羚羊の角にやらせるから日常系非条理ほのぼのストーリー(本当はほのぼのしてない)になってしまう。きっと、気鋭のライター・豊崎由美氏も金の斧のはず。

 

でも、本作でヒロインがいろいろ宗家の仕打ちに耐えながらも貫いたのが不戦。この時期だからこそ、いろいろ考えさせられた。でだ、この作品が刊行されたのが2014年。実は表だって語られないものの、この作品のエッセンスが大河ドラマ「おんな城主 直虎」に活かされてたりしてな。「直虎」最終回直後に本作読んで、「あ、これ進研ゼミでやったやつだ!」と思うシーンが何度もあった。ええ、「直虎」がパクリコピペだと言いたい訳じゃありません。それ絶対インスパイアしてたに違いないです(個人の見解です)。

 

と、いう事情もあり。せっかくの名作なのに当分NHK大河ドラマに起用される可能性なさそう。もしドラマ化されたら八戸・遠野でのロケがふんだんに盛り込まれて、目の保養にもなると思うんだけどナー。せめて「NHK土曜時代ドラマ」、去年一切捨て作ナシ、特に「アシガール」が素晴らしかったNHK土曜時代ドラマに落とし込んでくれないか?

 

余談はここまでとして。物語はそれだけに終わらない。まさかここに河童伝説まで盛り込むとはナー。まさか河童のルーツが八戸だったとは思いもよらなんだ。これ以上言うとネタバレ!

 

そうそう。不戦も結構だけど、去年の春以来。某民話の郷から河童が地元に住み着いて、悪さを繰り返して村人達が困りきってます。

「河童に悪さされすぎて困ってます」

→土屋太鳳ちゃん主演の壁ドン映画かよ。

 

はともかくとして。話をぶった切って恐縮ですけど。今年は、妖怪退治を頑張りたい所存。降魔調伏!

 

したっけね。

 

かたづの! (集英社文庫)

かたづの! (集英社文庫)