出陣の賦

降魔調伏

平谷美樹「でんでら国」

 平谷美樹は、いったい一日に何時間執筆してるんだろうか?ここ最近の出版ペースが矢継ぎ早過ぎて、読む側がキャパオーバー。

 

世間一般の読者は「○○先生の新作、早くでないかなあ。」だが、彼の読者は「平谷先生の新作、まだ読み切らないうちにまた新作出ちゃったよ。」となりがち。 でも本書「でんでら国」、二年半積ん読してたけど。いざ手を付けたら止まらなくなって一気に読み切った。

 

江戸末期、南部藩 に囲まれた架空の藩・外舘藩内の山村・大平村にまつわる棄老の伝承、隠田、検地、野狗手が相まって。そりゃもういつもの平谷節ですよ兄貴! 思うに、平谷先生にとって本作「でんでら国」は。かの井上ひさしの名作「吉里吉里国」に対するアンサーなのかも。

①主人公の名前が善兵衛(「吉里吉里国」の地名の由来になった豪商・吉里吉里善兵衛からか?)。

②「吉里吉里国」の舞台が東北本線一ノ関駅に近い宮城県北の村であるのに対して、「でんでら国」の舞台・外舘藩は平谷先生の故郷・岩手県久慈市周辺のように思える(が、作中では八戸と久慈の中間に見えるようにフェイクを入れている)。

→県南地方の人も読んでください(笑)。 ③「吉里吉里国」・「でんでら国」とも、国とは何か?誰のためにあるのか?テーマとしている。

 

それにしても、だ。平谷先生は、なぜあんなに大平に拘るのだろうか?本書の舞台が大平村で、「あーそういう事か」と思ったら。やっぱりそういう事だった。いろいろあるんだけど、オレもそろそろ大平で働くんだ。細かいことは言うまい。 そして思った。

 

平谷先生、岩手日報に連載してる「柳は萌ゆる」終わったら「水滸伝」復活してください!

 

したっけね。