出陣の賦

九州豪雨が一日も早く復興しますように

10代はニーチェなんて読むな!

筒井康隆の名作「文学部唯野教授」に、たしかこんな一節があった。

 

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文学なんて読んでもためにならない!

・サド読んでマゾになる奴

太宰治読んで人間失格する奴

坂口安吾(代表作「堕落論」)読んで堕落する奴

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初めて読んだとき、「プッ」と笑ったけど。これって、文学に限ったハナシじゃないな。哲学界ではいま、「ニーチェを読むとバックレる」と囁かれる始末なんだから。

 

もうね、1週間経ってハナシが鎮静化したけど。哲学好きで「人生を危険にさらせ!(幻冬舎文庫)」を著して、その後本当に人生を危険にさらしてしまった須藤凛々花(以下、須藤)なんなんだ?ちなみに言うと、「人生を危険にさらせ」はニーチェの言葉。そういえば、須藤と同業者のニーチェかぶれの10代もバックレたっけな。うーん、10代でニーチェにかぶれるのは。10代で尾崎豊にカブれるくらい、ヤバい案件なのか?

→結論としては、半分正しく半分青い。

 

ニーチェが主張していたことは、世間一般に信じられている良識・常識・道徳を疑うこと。実はそれが個人のためにならない、個人の可能性を縛り付けているから一旦捨ててみろという事。映画「男はつらいよ」で例えると、

・常識に捕らわれている人々=さくらをはじめ柴又の人々

・常識から解放された人=寅さん

→あんまり、道徳から解放されたくない例えだよな(笑)。

 

まっ、御説ごもっともだけど。別にニーチェは常識を全否定しろとまでは言ってない、否定はしても上辺は信じてるフリして自己実現しろと言いたかったんだろうけど。何も知らない10代は、全否定の方向で解釈しちゃうんですよね。

 

さて、今回。こういう結論に至ったのがこの一冊。

 

原田まりるニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた」

 

出版元はダイヤモンド社、たぶんヒット作「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」路線の延長作かもだけど。京都の女子高生・アリサが次々哲学の巨人たちと出会ってしまい感化されるっていう、ぶっ飛んだ設定。深夜にCM流れまくりな「イケメン達に次々出会えちゃうスマホゲーム」みたいな設定なんだが。

 

そうそう。本作では、ニーチェ(が現代のイケメンに憑依設定)がまさにアプリゲームの制作者で。こんなくだりが、あったんだ。 

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「(中略)ニーチェは、どんなゲームをつくってるの?」

「代表作は、”The Twilight of the Idols~アイドルの夜明け~”だ。これはいまでもガンガン課金されている。そのうちアニメ化しそうな勢いだ」

アイドルの夜明け、一体どんなゲームなの?」

「恋愛禁止という掟の中で、恋愛禁止という掟を破り、週刊文春に撮られまくるという道徳的に縛られないアイドルを育成していくゲームだ」

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 まさか、現実になってしまうとは。

事実はラノベよりも奇なりだな。

 

したっけね。