出陣の賦

九州豪雨が一日も早く復興しますように

「沈黙-サイレンス-」

マーティン・スコセッシの映画、「ギャング・オブ・ニューヨーク」以来15年ぶりに劇場で観た。重厚で、観た後オレまで沈黙してしまった。なんとも言えない。

日本人俳優の演技が分厚い、
「あーあ、イッセー尾形が世界中に知られてしまったな。」
棄教を迫る長崎奉行・イノウエ役、公的暴力をソフトに包んだキャラクターをさらっと表現。そして、窪塚洋介演じるキチジローがほんとにキチ。もはや裏切り者なのかストーカーなのかわからない難役を好演、他にもいろんな場面に意外な役者が活躍。

それにしても、テーマが重かった。
キリスト教が弾圧されていた江戸初期の日本に潜入した宣教師の受難、それはキリストが処刑された頃と状況は一見同じ筈だったんだけど。キリスト教の初期のように信徒が続々と増える訳でなく、隠れ信者はいるんだけど教父なしに独自の活動を続けることになる。要するに「根付かなかった」結果に、日本は沼だ!

主人公が、「長崎で棄教した師の真実を知りたい!」と予備知識なしにパッションだけで行ったものの。イノウエを筆頭とする「日本の先輩」たちに心を折られてしまう過程が身につまされた。

一見、「信徒=善 長崎奉行=悪」に見られがちだけど。信徒たちの教えが既に、宣教師である主人公の教義とは独り歩きをしてる辺り。具体的には、「殉教するとパライソ行ける」みたいになってた辺りも主人公には堪えたのかも。

主人公が様々な艱苦を味わう羽目になるも、神は助けてくれず沈黙するのみ。ニーチェが「神は死んだ」と宣う300年前辺りの話だった。

もともとこの映画を観るきっかけ、映画クラスタ連中が封切りになった先週から大騒ぎで。それが朝ドラクラスタやら周囲に波及しつつある感じ、これは「当たる映画あるある」。即ち、「観たら誰かに語りたくなる」映画だということ。

なんでも原作ファンからは「ラストシーンが違う」と騒がれてるらしい、原作も押さえてみたい。そして、また九州行きたい。やれんのか?

したっけね。

 

沈黙 (新潮文庫)

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