出陣の賦

FOR THE SOPHISCATED PEOPLE

山平重樹「北海道水滸伝」

結論から言っておく。
「日本で一番悪い奴ら」、ひょっとしたら今。日本で一番エグい映画かもしれない。
・波の上下が激しい役を演じきった綾野剛の演技力。
綾野剛の新人時代の上司がピエール瀧、先輩が青木祟高。→朝ドラ出演しばりかよ。
・暴力シーンやら、斯く斯く然々なシーンやらがいっぱい。日頃のストレスで心底参ってるかわいそうなオレ、なんかスカッとした。

こんなに言ってるのに、まだどんな映画かすら知らない方のために。しつこく語ると、この物語。
★柔道採用で北海道警察に採用されちゃった主人公が、斯く斯く然々してしまう物語。
→まっ、早いハナシ仕事柄でチンピラと付き合ってるうちに身も心も染まっちゃったハナシなんだけど。極論すぎるけど。

刑事の世界では、エス(=スパイ)と呼ばれる協力者づくりが大事らしいんだけど。ソースはこの映画な。
中村獅童が演ずる、元ススキノの暴力団幹部がヤクザ辞めてエス専業になった理由が泣けた。
★自分の組が関東の組の傘下になる、やんた。
→80年代、元々テキ屋天国だった北海道。関東やら関西やらの博徒系の大手が進出したんだよな。

あーそれ本で読んだ。心身ともにやさぐれてた10年前、知った。心底疲れてたあの頃、心の救いは「実録北海道やくざ本」だった。
→日頃は陽気で気さくな道産子やくざが、ふと見せる凶暴性に痺れてた。今から思えば、結構病んでたな自分。

北海道やくざの歴史、時系列で追うとこうなる。

安藤昇「やくざの城」
→明治の時代。函館を拠点に、北海道制圧に成功。本州侵入の機会も伺ってた丸茂組の盛衰記、作者が俗にいうインテリヤクザのはしりで後に役者としても活躍してた方だったんだよな。

山平重樹「遊侠愚連一代 実録・南海の松」
→音読みは「ゆうきょうぐれいちだい じつろく・なんかいのまつ」、戦後に活躍したやくざ(本業はテキ屋)。まさに道産子やくざの申し子の生き様に痺れる。

そして、これ一冊さえ読めば北海道やくざの黄金期がわかる。どこに需要があるかわからないけど、あえて薦めたいのが。

山平重樹「北海道水滸伝
→終戦直後、「第三国の、あの人たち」との抗争から始まって、時代時代で次々と主人公が代わる連作スタイルが素敵。前述、南海の松も登場するよ!後半で道産子やくざが関東・関西からの進出組に屈する過程が描かれてて、なんか悲しかった。

結論。なんか今、久々に道産子やくざ映画(だったっけ?)にハマるとは。やっぱり、やさぐれてんだな。

そして、人生は続く。

北海道水滸伝 (双葉文庫)

北海道水滸伝 (双葉文庫)